がん検診の有効性についてはEBMの手法で(EBMの項もご一読ください)見極める事が出来ます。がん検診が有効なものか、そうでないかを見極めるには「がんの死亡率」が大事な指標になります。日本では「早期発見・早期治療」をモットーにがん検診が推し進められてきたため(その考え自体は間違っていないのですが)、ややもすると早期発見さえできればよい、と誤解を生む原因にもなっていました。
がんにも早期発見が有効ながんとそうでもないがんとがあります。がんが発見できても死亡率が減らなければがんを発見するメリットはないばかりか、逆にがんに対する心理的恐怖感や治療による副作用の点でデメリットにもなり得ます。
死亡率を直接検討するにはランダム化臨床試験(無作為化比較対照試験)で検診を受けた群とそうでない群とを追跡して比較するのが王道ですが、既に広く実施されている多くの検診ではこのような試験は行いにくいのが実情です。そのような場合は他の様々な手法(症例対照研究や間接的な臨床研究)を使って死亡率を検討する試みが行われます。
これまでに明らかになっているがん検診の有効性については国立がん研究センターのホームページに詳しく書かれていますので関心のある方はご覧になって下さい。
(推奨の強さをA, B,・・・で示しています)
死亡率減少の証拠あり 推奨B(危険群は喀痰細胞診併用)